記念すべき初回は、滅多にないというレベルの土砂降りの中、大人9名、子供6名の参加者が集まりました。心配事はありましたが、小学校高学年以上の子供も参加可能としました。小さい頃からDIYの機会を持つのは、その後の生きる力にも繋がるし、空き家に興味を持ってもらえたらという想いがありました。
初回は大工道具に慣れるために、「馬」と言われる作業台作りから始まりました。大工さんが木材をカットしたりするのに使うこの作業台。大工ではないし、せっかくなら作った後は、別のことにも使えたらいいなあという希望から、講師の北村さんが考えてくれたのが少し低めの設計の馬。座りやすい高さで、作業台以外にも庭の椅子として使えそうです。北村さんが持ってきてくれた廃材の中から好きな材料を選び、それぞれ唯一無二の馬(椅子)作り。ノコギリ、金槌、ノミを使って子供から大人まで、3人の大工さんに見守られながら馬作りに励みました。
大工さんと相談して、作業をする子供は小学校高学年以上という設定にしました。(でもどうしてもやりたいならそれ以下でもいいよ、とおっしゃっていましたが)
初回は子供の参加が6人。集中力切れて途中で投げ出すのではないかとか、怪我は大丈夫かとか、色々な心配がありました。でも蓋を開けてみると、子供たちの集中力の高いこと! それが初回で一番驚いたことかもしれません。
あっという間に12時になり、お楽しみのお昼ご飯は、郷土家庭料理のバイキング。この地区の元気なお母さんたち〈七滝元気組〉による手作り料理の数々。
〈七滝元気組〉は、分かりやすく言えば全国にある婦人会のような団体。でも地域外の活動も多くなる婦人会よりも、もっと自由に地域に密着した活動をしたいとの想いで熊本地震後、集まった地域のお母さんたちの集まりです。麹や大豆からみんなで作って、手作り味噌を販売したり、地元のイベントに手作りの漬物やお惣菜などの食事の出店をしたり、食を中心に様々な活動をされています。お昼近くには、次々と元気なお母さんたちが登場して、会場が賑やかになりました。そしてお昼ご飯は冷や汁や混ぜご飯、煮物や揚げ物、デザートまで全て手作りの品々が20種類近く並び、みなさん大変喜んで何度もお代わりされていました。参加していた方のひとりは、「元気組のお母さんたちは、この地域の宝だね!」とおっしゃっていました。
お腹いっぱい食べて、休憩するだろうと思いきや、子供も大人も食べ終わるとすぐに馬作りの作業を再開。初めてノミを手にする人も多かったようですが、丁寧な指導の下で、わからないところは大工さんに質問しながら、全員最後まで作り上げました。
最後、少しだけ残った時間で、台所と居間の間の壁の取り壊しました。家主さんの希望で、ここを一間にしたいとのこと。
壁の取り壊しは子供たちが一番楽しみにしていた作業ですが、大人もとっても楽しそうでした。築年数が不明なこのお家。100年経っているという近所の方のお話でしたが、見た感じは昭和初期かなあという印象でした。でも、壁を取り壊したら、中から黒い土壁と竹小舞(昔ながらの土壁の下地)が出てきて、ここが建てた当初の外の壁だったことがわかりました。そして、増築などリフォームは施されていますが、やはり近所の方のおっしゃっていた「築100年以上」は正しいようです。急に100年前の暮らしが思い浮かび、家の記憶の一旦に触れた気がして一人感動しておりました。やっぱり古い家っていいですね!